倒産までのカウントダウン

朝5時半。

 

起床して身なりを整えて

 

ご飯も食べずに家を飛び出て電車に飛び乗る。

 

電車は早朝だけれどそれなりに人は居て、

 

勤め先の会社は割と県内でも大きい駅だったので

 

それなりに降りる人も多く、人に揉まれながら降車する。

 

出勤するとお昼まで立ちっぱなしでずっと働き、お昼を済ませる。

 

繁忙期は昼休みにゆっくり休んでなんていられない。

 

持ち場に帰るとまた仕事をし続け、仕事が終わるとくたくたに

 

なった状態で家へ帰り、酷いときはそのまま寝落ちして朝なんてことも。

 

そしてまた朝だから起きて出勤の準備をして・・・

 

 

・・・私の人生これでいいのかな?

 

 

そう考えながら、でも仕事を辞めたからといって次の仕事があるわけでもない、

 

ましてやこんなコロナ禍で退職なんてしては

 

貯金がそんなにあるわけでもないからだめだ。

 

ーーー気づけば30歳。

 

資格があるわけでもない、仕事につながる

 

特技があるわけでもない、このままでいるのが安牌だ。

 

独身だし細々とした暮らしでもなんとかなるだろう。

 

・・・でもこのまま生活に不満を抱きながらこれからも

 

こんな味気ない毎日が続いていくんだろうなぁ・・

 

ともやもや考えながらまた電車に揺られる。

 

そんな日々がずっと続くーーー

 

そう思っていた。

 

でもそうではなかった。

 

終わりは実に呆気なく、突然にやってきたのだ。